地方創生に悩んだIT企業が、社員から議員を生んだ話

2020年10月14日

こんにちは、Vitalizeの松原です。

久しぶりに、喜界支社の話題です。

1.鹿児島県は喜界島に進出してからこれまで
Vitalizeが2020年2月に開設した喜界支社は、東京から単身(遅れて彼女もついてきてくれた)で乗り込んだ支社長の和田が奮闘しました。
誘われた飲み会やスポーツイベントには隈なくお付き合いし、気さくな人柄もあって、喜界町での知名度がみるみると上昇しました。当初あまり見込んでいなかった、地元でのお仕事の引き合いもいただき、支社単体で黒字化も見えてきています。

採用面では、今では地元メンバーが4人加入しております。かなり濃いメンバーです。

・土岐・・・元プロ歌手!今回のお話の主人公
・前田・・・数少ないエンジニア経験者!
・遊佐・・・元プロサッカー選手!
・大山・・・福岡からUターンしてきた新卒!

東京だろうが宮崎だろが喜界だろうが、やることは変わらないとばかりに、メンバーみんなが1~2か月程度の研修を乗り越え、無事にエンジニアデビューを果たしました。また、単にエンジニアタスクをこなすだけでなく、スポーツイベントへの参加や、海岸清掃への参加など、地域に溶け込めるよう、みんな頑張っています。
※ちなみに、和田の彼女が開いたお店は、島で唯一の女性向け整体院ということもあり、ご好評いただいております(笑)。
2.議員になった話
メンバーの土岐が抜群にアツイ漢だったのです。
Vitalizeでは全社員が毎朝、1日の自らのタスク内容とともにメッセージを沿えたものを共有しています。
ある日の土岐の投稿をご紹介します。


8:15 AM 土岐 和貴 (doki kazuki) 

皆様おはようございます

島の出産問題は深刻だと考えております!!
少子化、少子化、と行政は言っているのに
一向に改善されない現実!!
まずやってほしい事は・・・
設備じゃないんです。
お金じゃないんです。
その取組を島の若い方々に届けていってほしい。
島生活で安心して妊婦生活、出産生活が送れるように
本気で考えてほしい!!!
まずはそこからだと感じております。
女性の気持ちになって真剣に少子化問題に取り組んで行くことが
本当の意味で少子化問題解決の第一歩ではないか!!
島の宝【子供たち】を本気で守り・育てていける喜界島になるように
そのためには女性を守り安心した環境つくりが必要不可欠だと思います!!
まずは一歩目を.......
喜界島活性化に向けて
土岐は以下の項目で具体策を掘り下げていきます!!
【出産体制強化】
・現状洗い出し
・今できること、今できないこと
・ゴールに向けてのメリット、デメリット
最終のゴールを【島で出産できる】
今日は少し感情的になってしまいすみません
今日も一日よろしくお願い致します!!!!


こんな内容をほぼ毎日投稿してきます。
以前からも冗談半分で、「政治家になったほうがいいんじゃない?」とみんなに言われてきました。

ところで、Vitalizeとしても、どうやったら地方創生、少子化対策を加速化させられるのか、と日々悩んでおりました。

我々の会社が1つできたところで何が変わるのか。

全員が全員エンジニアになりたいわけではないので、雇用面で貢献できるのも部分的な話。

そもそも、
・空き家ばかりなのに流通しないため、住居が圧倒的に不足している
・平均賃金が本土に比べて低すぎる
・当然、仕事も限られており、若い人がつきたい仕事につき難い
など、イチ民間企業が取り組むには非常に難しい課題がたくさんあります。

官民一体で取り組まないといけないことは間違いない。
そうであれば、行政ともっとかかわりを持ったほうが良いのではない。
こんな考えから、土岐の議員化への動きは加速していくことになりました。

 本人はいろいろな葛藤があったと思います。
島を良くしたい、という想いはあれど、議員になれば、本人だけでなく、家族もいろいろなしがらみに巻き込まれることになります。
島出身で、島に一戸建てを購入済み、後には引けなくなります。いろいろ逡巡がありましたが、、

8:34 AM 土岐 和貴 (doki kazuki) 

皆様おはようございます!
昨日は覚悟を決める大事な日でした!
太陽さんとお話をしていて心を動かされました。
感謝の気持ちでいっぱいです( ;∀;)
一度は『やめよう』と決めていたのですが
島のために、vitalizeのために、家族のために
一番は自分自身のために政治家として島を変えていくことを決意致しました!!!!
vitalizeのチームの一員として【地方創生】に力を入れていき
まずは島の活性化について深堀りしていき改善策を考えていく!!
その積み重ねで、課題をクリアしていく!!その経験を活かして
これから各地方に増えていくvitalize支社の地域の課題等にも
どんどん入っていき各地方の課題も一緒に考えクリアしていく
今まで以上にビジョンが広がっていきますね
島の選挙は独特で、身内、仕事関係、集落等を大事にしていて
感情論が必要不可欠になってきます!!
簡単に物事が進むとは思っていませんが
しっかり作戦を練ってチャレンジしていきます!


と、みんなに所信表明をしてくれたのです。選挙の2か月前でした。

やると決めてからは、怒涛の2か月でした。

土岐は休みなく、先輩議員の訪問や、自分の政治理念を広める活動を、告示日以降は、自転車で島を毎日40kmほど駆けずり回るなど、真夏の30度を超える日差しの中やり通しました。
生後半年に満たない幼子がいる中での、ハードな選挙活動、家族の心労も尋常ではなかったと思います。会社としては、法律上具体的な協力が難しいので、ただただ見守るしかありませんでした。

そして、全社員がYoutubeで生中継の開票状況を見守っていたところ、





なんと






土岐和貴、9位で当選しました!




やりました!
ご家族や地域の方と、感涙で抱きしめ合ってるのを見て、みんな目頭が熱くなりました...。


3.これから何を目指しているのか
議員になるまでの経験は大変貴重でしたが、あくまでこれはスタート地点に立っただけです。

これから山積みの課題に対して、島民のみなさん、行政や他の島の企業のみなさんとどう解決していくのか、一つずつしっかり向き合っていくことになります。
この点は、続編として、土岐の方から、こちらのブログで連載させていただければと思います。
Vitalizeではさらに東京から5人ものメンバーが転勤し、IT企業という強みを活かして、求人サイトや不動産サイト、観光客向けサイト、Uターン促進アプリの開発などを企画しています。

以上、喜界町の様子でした。

Vitalizeでは宮崎・喜界以外にも数年以内に、拠点を増やす予定です。
その地域に即した地方創生の解決策を考えつつ、Vitalizeのビジョンである

「日本の少子化を食い止める」

を実現するため、社員一丸となって頑張って参りたいと思います。

応援のほど、よろしくお願いいたします。