筑波大学附属中学校で授業サポートをしました!

2025年06月19日


こんにちは!
広報担当の車田です。

この度、とあるご縁があり、筑波大学附属中学校にて授業支援を行いました。
この記事では、授業支援に至ったきっかけや先生方の想い、当日の授業風景についてご紹介していきます。

まずは、今回お世話になった先生方をご紹介します!




左から順に

渡辺裕一  (わたなべ ゆういち) さん

筑波大学附属中学校 3年2組の担任。社会科の教員として授業を担当。


田川 愛里 (たがわ あいり) さん

筑波大学附属中学校 3年3組の担任。家庭科の教員として授業を担当。 




🔖 目次


1. 授業支援に至ったきっかけ

2. 授業風景や授業支援の様子

3. まとめ




 1. 授業支援に至ったきっかけ 



今回の取り組みは、筑波大学附属中学校の田川先生から、弊社CTO / 徳江へのご相談がきっかけでした。
実はこのお二人、高校時代の同級生なんです。





田川先生は、同校で中学3年生の担任を務められており、5月に進級したばかりの3年生を引率して、東北・石巻への修学旅行を予定されていました。

この旅行では、震災の記憶とその後の復興について学ぶ震災学習を中心に、教科ごとに分かれて現地での学びの時間も設けられています。
同行される社会科担当の渡辺先生は、地方創生をテーマに石巻の「今」を学ぶ授業を構想されていたそうです。


「より深い学びを得られる修学旅行にするには、どんな事前学習が必要だろう…」
そんな悩みを抱えていた田川先生が、ふと徳江のことを思い出してくださったそうです。
「徳ちゃんは、仲間と一緒に会社を立ち上げて、いろいろな地域で地方創生に取り組んでいたはず。教科書にはない学びを届けられるかもしれない。」


そのようなお声がけを受け、「日本を活性化する」をミッションに掲げるVitalizeとしても、未来を担う子どもたちの学びの場に少しでも貢献できるのであれば、ぜひご一緒したい!
そんな想いが重なり、今回の授業支援が実現しました。


筑波大学附属中学校が企画する修学旅行は、見て終わりの観光ではありません。

  • 地域課題に向き合い、
  • 自ら調べ、現地で話を聞き、
  • 感じたことを仲間と共有し、考える。
まさに、生徒自身が学びの主役になるためのプログラムです。





現地では、震災後の変化や、移住・ビジネス・NPOなどによる新たな取り組みについて、地域の方々から直接お話を伺う機会が設けられています。
震災という大きな困難を乗り越え、新たな地域のかたちを模索してきたこのまちで、生徒の皆さんは現地の方々と触れ合いながら「未来のかたちをどう描くか」を主体的に考えていきます。


この学びを通して、「社会課題を自分ごととして捉える視点」や「他者の立場に立って考える姿勢」を育んでほしい。

そんな先生方の願いも、この修学旅行には込められていました。

こうした深い学びの場を形にするには、並々ならぬ想いと相当な準備が必要です。
それを実現された先生方のまっすぐな情熱と生徒への真剣なまなざしに、私たちも胸を打たれました。




2. 授業風景や授業支援の様子



Vitalizeが担当したのは、修学旅行に向けた事前授業の一部。
生徒の皆さんが石巻での現地学習をより深く理解し、意味のある時間にできるよう、全6回の授業支援を行いました。

授業づくりにあたっては、まず先生方と
「どのような学びを生徒に届けたいのか」
「どこをゴールに据えるのか」
といった点を丁寧にすり合わせながら、授業を大きく3つのステップに分けて構成しました。


▪ ステップ 1 : インプット (事例の調査と発表)

▪ ステップ 2 : 構造理解 ( ※AISCEASを使った施策のマッピング)

▪ ステップ 3 : アウトプットの練習 (石巻の現在の取り組みとAISCEASのマッピング)


(※) 消費者行動の一連のプロセスを表す購買行動モデルの一種



ステップ 1 : インプット (事例の調査と発表)


初回の授業では、生徒の皆さんが事前に調べた「各地域における地方創生の取り組み」について班ごとに発表してもらい、それに対してフィードバックをさせていただきました。

どの班も、対象地域の特色や具体的な施策までしっかりと調査されており、そのうえで、興味を持った分野や表現の仕方に違いが見られ、それぞれの個性が光っていたのがとても印象的でした。

私たち自身も、生徒の皆さんから多くの気づきと学びを得る時間となりました。






ステップ 2 : 構造理解 (AISCEASを使った施策のマッピング)


次の授業では、AISCEAS(アイシーズ)というフレームワークを導入。
これは、Attention(注目)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Comparison(比較)→ Examination(検討)→ Action(行動)→ Share(共有)という、人が意思決定をするまでの行動ステップを表した購買行動モデルです。
このフレームを用いて、「人が移住を決断するまでに、どのような行動をとるのか」という流れに当てはめながら、考え方を紹介しました。

事前に資料を準備し、図解を交えながら、理解しやすいよう工夫して授業を進めました。





構造の考え方に触れた後は、班ごとに、事前に調べた地域の施策をAISCEASに当てはめながら、施策の構造を自分たちで読み解く体験をしてもらいました。
フレームワークを実際に活用することで、施策の意図や流れをより深く捉えることができたように感じています!





ステップ 3 : アウトプットの練習 (石巻の現在の取り組みとAISCEASのマッピング)


最後の授業では、修学旅行で訪問予定の石巻について、地域の特徴や施策を各班で調べ、現地への理解を深めてもらいました。
その上で、前回の授業で学んだAISCEASフレームワークを活用し、調べた施策をマッピング。

  • 「この施策は、どのステップに当てはまる?」
  • 「誰に対して、どんな行動を促しているのか?」
という視点で情報を整理しながら、施施策全体の意図や構造をより立体的に捉える学びへとつなげていきました。



※実際に授業で使用した資料



さらに授業の最後には、いくつかの班に発表してもらい、自分たちの学びを言語化して共有する時間も設けました。
調べた内容を整理し直すことで、施策の意図や背景への理解が一層深まったように感じました!

修学旅行では、現地での学びをベースに最終的に東北大学の先生方へ発表し、フィードバックをいただくといった、本格的なアウトプットの機会も予定していると伺っていました。
そこで、授業では単に「情報を教える」のではなく、「自分たちが何を感じ、どう考えたか」を自発的に掘り下げるような問いかけを大切にしました。

実際に教える中で感じたのは、どの生徒さんも理解が早く、互いに助け合いながら主体的に調べ学習に取り組んでいたことです。
一方で、迷いが生じそうな場面では、こちらから積極的に声をかけてコミュニケーションをとるよう意識し、全員が学びに参加できるよう丁寧にサポートを行うことを心掛けました。





こうして、全6回にわたる事前授業は無事終了。

後日、修学旅行を終えた田川先生からは
「事前学習の積み重ねが、現地での充実した活動につながっており、生徒の成長を感じられる貴重な機会となった」
とのお言葉をいただき、私たちもとても嬉しく、やりがいを感じる瞬間となりました!




3. まとめ


今回の取り組みは、私たちVitalizeにとっても大きな学びの時間となりました。

「地方創生」を掲げる企業として、自治体や企業との連携に加え、教育現場との連携にも力を入れていきたいと考えています。
特に若い世代が地域課題・社会課題に出会い、自分ごととして考える機会をつくることは、未来の担い手を育てるという意味でも非常に重要だと感じています。
引き続き、教育と地域をつなぐ架け橋としての役割も担っていけるよう、活動を広げていきます。

IT企業として、システム開発を手掛けるだけではなく、「日本を活性化する」をミッションに掲げ、挑戦を重ねながら走り続けているVitalize。
「少しでも気になる!」「話を聞いてみたい!」と思っていただけたら、ぜひご応募ください!