【前編】地域の魅力を「味」に変える ~ 小海支社、特産品づくりの舞台裏 ~

2025年07月25日

 
皆さん、こんにちは!

小海支社 広報担当の車田です。
今回は、小海支社で取り組んでいる「特産品開発」についてご紹介していきます。
このブログは【前編】となっており、特産品づくりのきっかけや背景を中心にお届けします。
それでは、目次をご覧ください。

 


🔖 目次

 
1. 全ての始まりはイワナから

2. 課題だらけのスタート

3. 特産品開発チーム結束!商品化への第一歩

4. 最後に





1. 全ての始まりはイワナから




なぜVitalizeが養殖事業を始めることになったのか



 特産品のお話に進む前に、小海支社が養殖事業に取り組むことになった経緯からお話ししたいと思います。 

 養殖事業は、2021年6月に小海支社でスタートしました。 
もともと、長野県小海町の五箇地区では、かつてイワナやニジマスなどの川魚の養殖が行われていました。
しかし、担い手の高齢化と後継者不足により、養殖事業は姿を消してしまい、五箇地区にあった養殖施設は、20年にわたって使われることなく放置されたままの状態でした。
そんな中、Vitalizeも陸上養殖などの記事を見て、興味を持ち始めていました。
そこで、小海支社の設立を機に、町内で養殖できないかなと、町役場に相談を持ちかけたところ、五箇地区の話を伺い、「自分たちが再生にチャレンジしたい」と考えたのです。

かつての養殖場を一から整備。
草に覆われ、川と一体化しかけていた生け簀を整備し、現在はイワナの養殖に挑戦しています。





五箇の湧水で育つ極上のイワナの魅力



私たちが育てているイワナは、小海町の中でも最も美味しい水として知られる、五箇の湧水を使って養殖しています。




八ヶ岳山麓の豊かな自然の中に湧く清らかな水は、年間を通じて安定した水量と7~10℃前後の水温を保っています。
イワナは冷たい水を好む魚であり、この環境はまさに理想的。
夏でも冬でも快適に過ごせることで、健康的にゆっくりと育つのが特徴です。

また、薬品の使用や人工的な温度調整などは一切行っておらず、地域の方々の協力のもと、自然の水と環境を最大限に活かした養殖を行っているのも特徴の一つ。

実際に召し上がった方からは、「川魚特有の臭みがなく、とても美味しい!」といったお声を多くいただいています。


現在は、育ったイワナを塩焼きにしてイベントで販売したり、







地元の直売所と連携して、新メニューの開発・販売を行ったりと、地域内での活用の幅が徐々に広がってきました。


📌【SDGs】IT企業が養殖する「イワナ」で地産地消
https://www.vitalize.co.jp/news/161


地元の方々に喜んでいただける一方で、「もっと多くの人に、五箇で育ったイワナを知ってもらいたい」そんな想いも、少しずつ芽生えてきました。

一次産業のままではどうしても展開が地域内に限られてしまいます。
本当に持続的な成長を実現するためには、地元以外の方にも手に取っていただけるような仕組みが必要だと、私たちは感じるようになりました。

そこで私たちは、養殖から販売までを一貫して行う六次産業化への挑戦を始めることにしました。



2. 課題だらけのスタート




特産品開発といっても、最初から明確なゴールがあったわけではありません。
当初は、私たちが養殖しているイワナやチョウザメにどんな可能性があるのか、手探りの状態からのスタート。
特産品開発をリードしてくれたのは、小海支社のエンジニア・稲岡さん(通称:ひなちゃん)。
彼女を中心に、支社メンバー全員でアイデアを出し合い、試行錯誤の日々が始まりました。
詳しくは、ひなちゃん登場のこちらの記事をご覧ください。


📌 女性エンジニアから見たVitalize
https://www.vitalize.co.jp/blogs/190


商品化までの道のりは簡単ではなく、地道な努力を重ねながら、少しずつ形にしていきました。




試作品も果敢に挑戦しました。
イワナの燻製にチャレンジしてみたり、冷凍刺身の可能性に期待して、同様の加工例としてマグロやブリで試作してみたり、




さらに、ふりかけなどの加工食品にもアイデアを広げてみたりと、方向性が何度も揺れ動き、答えが見えない中でも模索を重ねていきました。

「地域を元気にしたい」「もっと多くの人に小海町(南佐久)を知ってほしい」
その想いは共通していながらも、限られた予算やリソースの中で、「どんな形が最も伝わるのか」、「持続可能な商品にできるのか」という壁に何度もぶつかりました。

見た目のインパクト、地域性、保存性、原価とのバランスなど、一つの商品を作るうえで、考慮すべき要素があまりにも多く、「この町の魅力を、どう商品として形にするか?」という問いと、何度も真剣に向き合いました。

ようやく「燻製」を軸に進めていこう、と方向性が定まりかけた頃、予想もしなかった出来事が起こります。
加工を委託する予定だった業者が、事業継続困難となってしまったのです。
ゼロからOEM先(製造委託先)を探し直すことになり、自前での製造も視野に入れ、冷凍保存、真空パック、レトルトなど、さまざまな加工方法を一つひとつ調査し、試作を繰り返す日々が続きました。



3. 特産品開発チーム結束!商品化への第一歩




とはいえ、本業はエンジニア。
加工品の開発なんて初めてのことで、思うように進まない日々が続きました。

そんな中、小海支社のほかのメンバーたちも「一緒にやろう!」と加わってくれることに。
そこから、チームの熱量は一気に加速します。
再び皆でアイデアを出し合い、悩みながらも、一歩一歩前へと進み始めました。


そんなある日、道の駅を訪れていたメンバーの目に飛び込んできたのが、「鮎の出汁醤油」。
見た瞬間に、ひらめきが生まれました。

「イワナでも、こんなふうにできるんじゃないか?」

この偶然の出会いが、チームに新たな気づきをもたらしてくれました。



4. 最後に




「この町の恵みを、商品というかたちで届けたい」
そんな想いを胸に、チームで探し続けた“答え”とは?

気になる続きは、次回のブログ【後編】でお届けします!
開発の裏側をたっぷりと、ひなちゃんがご紹介してくれる予定です。
どうぞお楽しみに!



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