儲かる農業?佐々木さんが目指す未来に繋ぐ農業のカタチ

2025年04月30日


こんにちは。
広報担当の前原と申します。

農業未経験からわずか7haの田んぼを40haまで拡大、ビジネスとしての農業を実践している佐々木さんのインタビュー第3回目をお届けします。


前回までの記事はこちら



今回は、農業が抱える課題、そして現役米農家の佐々木さんが描く農業の未来についてお話を伺いました。

果たして、彼の思い描く「儲かる農業」とは——?

佐々木さんのインタビュー最終回、最後までお楽しみください。


目次


1.現役農家が語る農業の課題
2.地域ごとに違う農業のカタチを
3.やりがいは、美味しかったの一言
4.儲かる農業で目指す未来
5.最後に



1.現役農家が語る農業の課題



松:日本の農業では、後継者不足や高齢化が大きな課題になっています。
その原因はどこにあるとお考えですか?





佐:すごくシンプルです。価格が安すぎる、それに尽きます
うちでは今、60kgあたりで3万〜3万5000円くらいで売れてますけど、それくらいの価格がないと、通年で従業員を雇うことができません。

人を雇えない農業は、そもそも続けられないですよね。
だからこそ、農業を次世代へ繋ぐ為には、ちゃんと「儲かる農業」を目指さないとダメなんです。



2.地域ごとに違う農業のカタチを



松:農業の仕組みそのものを見直す必要がある、ということでしょうか?

佐:はい。
それと同時に「地域ごとに違う農業のカタチがあっていい」と思っています。

例えば、千葉のような都市部に近い地域なら、農地法を柔軟にして兼業前提でもいい。
でも、他に仕事がない地域では、農業一本で生活していける政策を考えなきゃいけない。

今の農業政策って、どうしても全国一律なんですよ。
でも現場を見てると、それがうまく当てはまらない地域もたくさんあるんです。




松:スマート農業や大規模化ばかりが注目されていますが、小規模農家の持続可能性も大事にされてますよね。

佐:そうですね。
「農業はこうあるべき」という固定観念自体が、もう時代遅れなのかもしれません。
地域や農家のスタイルに応じた、柔軟な支援の在り方が必要だと思います。



3.やりがいは、美味しかったの一言



松:そんな中で、佐々木さんにとって農業のやりがいとは何でしょうか?

佐:やっぱり、「佐々木さんのお米、美味しかった」と言ってもらえる瞬間が一番嬉しいですね。
信頼と品質によって販路が広がっていく。それがまたやる気に繋がるんですよね。




松:農業が、人との繋がりの中で成り立っていると感じますね!

佐:はい。
単に作物を作るだけじゃなくて、「誰に届けるか」「どう喜んでもらうか」まで考えるのが、農業の醍醐味です!



4.儲かる農業で目指す未来



松:最後に、佐々木さんが目指す農業の未来についてお聞かせください。

佐:僕たちの今いる地域に、数件だけでも次世代に繋げられる農家が残ってくれたらいいなと思ってます。

日本の農業は、これまで長く「補助金でなんとか続ける」仕組みの中に置かれてきました。
しかし、それでは未来を描くことは難しい。

次世代に繋ぐ為には、しっかり利益を出して、家族を養えて、子どもに「後を継いでもいいな」と思ってもらえる農業じゃないといけない。

大規模化もスマート農業も、制度改革も、全部そのためにあるべきなんです。




松:ここまでお話を伺ってきて、「農業が儲からないと続かない」という危機感が、佐々木さんの中にあるんだなと伝わってきました。

佐:そうなんですよ。
儲からない農業じゃ、人も雇えないし、若い人も入ってこない。

このままだと、誰も農業をやりたいと思えない。
それでは、次世代へ農業を繋ぐことは難しい。

松:大切なのは、儲かる農業の仕組みづくりとそれを実現することですね。

佐:そう、それが実現できれば、日本の農業はまだまだやれます。
農業は、ちゃんと儲かって、農家が生活していける仕事じゃなきゃダメ。
国土を守って、地域を支えて、そして家族が暮らしていける。
そういう誇れる仕事に、農業をしていかないといけないと思います。

松:佐々木さん、本日はありがとうございました。



5.最後に






佐々木さんが語ったのは、現場のリアルだけでなく、これからの農業に向けた希望のかたちでもありました。

全3回にわたるインタビューを通じて見えてきたのは、現場に根ざした農業の実情と、未来を見据えて歩もうとする強い意志です。
農業のことを深く知らなくても、佐々木さんの言葉はきっと多くの人の心に残るはずです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。