喜界島の黒糖工場に潜入、喜界島工房の絶品黒糖はこう作られていた!

2020年12月05日


どうも、Vitalize喜界支社の和田です!
我々は【地方創生】を理念に活動している集団です。


新宿を拠点に組織拡大をしてきましたが、本格的に地方創生を実行に移すべく、2020年1月20日に鹿児島県の離島「喜界島」に支社を開設しました!


  • 鹿児島県民ですらその存在を知らない人もいる喜界島。
  • 初めて聞いた人は必ず「機械島」だと勘違いする喜界島。
  • 一説によると桃太郎に出てくる鬼ヶ島なんじゃないかと言われている喜界島(鬼界島)。


弊社も支社候補地を模索している段階では喜界島の存在すら知りませんでした。
喜界島は奄美大島のお隣。飛行機であればフライト時間10分足らずの距離にあります。
離陸したと思ったらすぐさま着陸体制に入るほどの近さです。笑


ちなみにこの距離は日本で2番目に短い航空路線だそうですね。


そして喜界島は世界でも珍しく隆起珊瑚で出来た島。
年間平均2mmペースで隆起してきました。


そんな喜界島にはどんな仕事があるのか気になりますよね。
自然豊かな島の基幹産業は農業です。
島面積の3〜4割が耕地となっており、その中でも特に力を入れているのが「サトウキビ」。


言わずもがな、日照時間も長く温暖な気候とサトウキビの相性はバッチリ。
サトウキビと言えば沖縄というイメージが強いと思いますが、珊瑚で出来た喜界島の土壌は豊富なミネラルを含んでおり、サトウキビの栽培には持って来いの環境なのです。


そんな喜界島には、日本で初めてサトウキビの有機栽培に成功し、栽培から純黒糖の製糖まで全てを一貫して手掛けている人物がいました。
杉俣 紘二朗さんです。


今回は杉俣さんの製糖工場にお邪魔して、純黒糖の製糖過程の全てを見せて頂きました!!!(2020/11/14)
いやね、思った以上に手間がかかる代物でした…。



①搾汁する


今回は搾汁(伐採したサトウキビからキビ汁を抽出する工程)から見せて頂きました。
サトウキビは竹のような見た目をしており、その中には甘い汁をたっぷりと蓄えています。
このサトウキビを圧搾機に通すと、頑丈なローラーがサトウキビを押し潰し、中からキビ汁がブッシャー出てきます。
搾り出したキビ汁は不純物を取り除く漉し器を通してタンクに吸い上げられます。
搾りガラはそのままベルトコンベアに運ばれ軽トラの荷台に積み上がっていました、効率いいですね。

ちなみに搾汁率はサトウキビの重量に対して約37〜50%程度だそう。
仮に1トンのサトウキビであれば摂れるのは370〜500kg程度のキビ汁ということです。思ってたよりもだいぶ少ないですね🤔



②煮立たせる、灰汁を取る、さたーゆを飲む


お次は搾り出したキビ汁を煮詰めていきます。
まず大きな窯に搾汁したキビ汁を流し込みます。
搾りたてのキビ汁は緑がかっていました。(こんな色なんだ!!)
このとき糖度の確認も同時に行います。
この日のキビ汁の糖度(brix)は19.1%。
今の時期は大体このくらいの糖度だそうです。
冬のサトウキビであれば糖度23になるものもあるそう!食べたい…。



次に火炎放射器のようなガスバーナー2台で窯ごと温めます。
一歩間違えれば大火傷必至、一撃必殺の威力です。
写真からじゃ1/3も伝わらない…。ポイズン。



キビ汁がふつふつと煮え始めたら石灰を加え灰汁を出します。
湯気が朦々と立ち込める工房内はとても暑く、我々は見ているだけなのに背中に汗がジワリ。
杉俣さんはそんな暑さを物ともせずせっせと灰汁を取り続けます。



何度も何度も灰汁を取ってようやく落ち着いてきた頃、煮え立つ窯からサトウキビの煮汁をおもむろにすくい上げコップに注ぐではありませんか。
そう、製糖現場に立ち会った者しか飲むことを許されない幻の飲み物「さたーゆ(砂糖湯)」です!!



「う…うまっ!!!」
一口飲んで思わず叫びましたww
熱々のさたーゆはサトウキビの香りがフワリと香り、とても甘くてコクがありました。
飲む黒糖とでもいうのでしょうか、とても不思議な感覚です。

「さたーゆ、持って帰ってもいいですか?」
そう聞いてしまうくらい美味しかったですww
しかし、さたーゆは製糖過程で飲むこのタイミングが一番美味しいのだそう。
残念ながらテイクアウトはしていないとのこと、残念!!
さたーゆを飲みたい方はぜひ杉俣さんまでお問い合わせください♫


③窯を移して煮詰める


次は隣の窯に煮汁を移しさらに煮詰めていきます。
初めは緑がかっていたキビ汁がこの段階では茶色くなっていました、黒糖っぽい!!





木のヘラでかき混ぜつつ煮詰め続けると、いつの間にか液体部分が少なくなり泡だらけになりました!
段々と粘り気が出てきて黒糖に近づいてきている感じがします!(素人意見)



いい感じに煮詰まったら攪拌機に移します。
このタイミングは長年経験を重ねた杉俣さんにしか分からないそうです。
早すぎては固まらない、遅すぎては焦げてしまう、ちょうどいい塩梅を見極める、これぞ職人の為せる技ですね!




④攪拌&成形する


攪拌機に流し込んだ黒蜜状態のキビ汁をグルグルと攪拌していきます。
攪拌する事で熱々な黒蜜黒糖を冷ますことができ、冷ましながら攪拌することで中に空気を含ませ結晶化を促す効果があるそうです。もはや神秘。



ここにマシュマロをディップしたら間違いなく上手いですね!(あ、よだれが…)
攪拌機からトレイ(正式名称わからず)に流し込まれた黒糖は素早くヘラで平にされ、ある程度固まったら縦横に切れ目を入れていきます。






ヘラで平にしている間にもどんどん冷めて固まっていきます!!
さっきまで茶色くて黒蜜状態だった黒糖が白っぽく段々と固まっているのがわかります!!
まさに時間との勝負ですね!!




ここももちろん手作業ですが、このスピード感も職人技ですね!!
あっという間に僕らの知っている黒糖になりました!

まだ黒糖は熱と水分を持っているため、この状態で一晩置いておくそうです。
そうすることで黒糖が自身の熱で汗をかき、余計な水分が抜けて保存がききやすくなるとのこと。
そして翌日パッキングされ店頭に並び、ようやく僕らの手元に届くのです!

いやー、本当に思っていた以上に手間のかかる工程でした…。
黒糖大好きな僕は1日で1袋ペロリと食べきっちゃいますが、もっと感謝してひとつひとつ味わうべきですね!!


最後に


この黒糖の生産者である杉俣さんの想いを紹介させていただきます。

島にきた15年前、黒糖づくりを習い始めた際にサトウキビ作りから勉強しなさいと言われ、農業をはじめました。 サトウキビの質で決まる純黒糖は、農産物に近い食べ物と思っています。 このことから美味しく安心安全なサトウキビを栽培することを目標にして、これからも頑張りたいと思います。 この黒糖を食べていただける機会がもしあるならば、一口一口食べるごとにサトウキビを育んだ喜界島の風景や人たちを思い浮かべていただけたらとても嬉しいです。 今後とも何卒よろしくお願いいたします!

杉俣さんがおっしゃる通り、喜界島工房の純黒糖は農産物に近いかも知れません。
東京のスーパーで売られているような黒糖とは味が全く違うので最初はかなり戸惑いました笑
断然こちらの黒糖のほうが旨味が強く美味しいので、ぜひみなさんにも味わっていただきたいですね✨

そしてこの度、喜界島工房はECサイトをオープンしました!
喜界島でも店頭に並べば即完売となる純黒糖。
この機会にぜひ一度ご賞味いただけますと幸いです✨

喜界島工房ECサイト

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